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杜仲茶の効果・効能|ノンカフェインの杜仲茶はダイエット向き?

健康茶は毎日を健やかに過ごしたいと願う人に好まれ、目的や飲むシーンなどに応じた商品がたくさんあります。店頭販売やインターネットショップで手軽に購入できる反面、何を選んだらいいのか迷ってしまうという方も多いでしょう。

今回は、健康茶の中でも認知度が高い「杜仲茶」の効果や効能を、お茶に含まれる成分と絡めて説明します。オススメの飲み方や注意点も併せて案内しますので、ぜひ最後までお読みください。

杜仲茶とは

杜仲茶の原料は、中国が原産の漢方トチュウ(生薬)です。杜仲の木は「1科1属1種」で属性や類似植物がない珍しい植物です。杜仲が日本に伝わったのは文献から「明治時代」や「大正7年」という説がありますが、実際のところは定かでないようです。

生薬として用いるのは太い幹の樹皮の部分で、滋養強壮向けの漢方処方に配剤されます。葉にも体に良い効果を得られる成分が含まれているとわかり、茶を煎じて飲む健康茶として徐々に広まっていきました。

杜仲茶の効能・効果

杜仲茶に含まれる成分は、それぞれ異なる臓器に働きかけることによって効果を現します。成分の量や品質は製品によって異なりますので、ここでは含有成分とその効能についてお話します。

(1)杜仲茶はダイエットに向いている?

杜仲茶には様々な栄養素が含まれていますが、特にダイエットに効果があるといわれているのが杜仲葉配糖体(配糖体とは天然植物で糖を含んだ構造をもつ化合物)という独自成分です。

杜仲葉配糖体は、ゲニポシド酸やアスペルロシドという成分があり、それぞれの成分の働きによってダイエット効果があると言われています。

動物実験において血中脂質や内臓脂肪蓄積を抑制、インシュリン抵抗性を改善等の効果が期待できることが判明しています。杜仲茶は、ダイエットや生活習慣病予防に期待できる健康茶といえるでしょう。

(2)杜仲茶はコレステロール値を改善する?

杜仲茶は、ダイエットだけでなくコレステロール値にも期待されるお茶とされています

実験では、高脂肪食摂取ラットが杜仲葉抽出液を摂取すると、血液と肝臓中のVLDL、LDLコレステロール、トリセルグリセリドが低下したという報告があります。

参考:高脂肪高コレステロール食投与ラットの血しょうおよび肝臓中の脂質に及ぼす杜仲葉抽出液の影響

杜仲茶のメリット

杜仲茶を飲んで摂取できる成分は、ダイエットや便秘解消に期待できるものだけではありません。健康維持に役立つ栄養素も含んでいます。

杜仲茶には栄養成分がたっぷり!

杜仲茶には、ミネラル類(鉄、亜鉛、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)が豊富に含まれています。これらは体内で、血液や神経の働きを正常に保つために役立ちます。また、ビタミンB1、B2、B6、Cなどを含み、エネルギー代謝や免疫力アップを助けます。

杜仲茶は、現代人に不足しがちな栄養素を補うことができるお茶です。ただし、健康茶はあくまでもお茶です。体に良いからといって過剰に摂取することは避け、楽しく日常に取り入れてみてくださいね。

ノンカフェインだから妊婦さんもお子さんも安心!

基本的には妊婦さんや子どもが杜仲茶を飲んでも問題ありません。ご家族のみなさんで楽しめるお茶です。

ただし、杜仲茶にはカリウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれています。これらのミネラルは、過剰に摂取すると腎臓に負担をかけたり、不整脈を引き起こしたりする危険性がありますので、日常生活の中で水分を摂る程度の適量にしておきましょう。

※心配な方は主治医とご相談の上お飲みください。

杜仲茶の選び方

中国原産地の茶葉に魅力を感じる人もいるでしょうし、製造工程が気になる方もいらっしゃるでしょう。長く飲み続けるためにも、商品選びに失敗はしたくありませんよね。ここでは、杜仲茶を選ぶ際のポイントを紹介します。

杜仲の生薬自体は甘味を感じる性質を持っていますが、そのまま食べると苦みや渋みを感じます。

茶葉を弱火でじっくり煮出すと、杜仲茶の成分をたくさん抽出した濃いお茶ができます。苦みの感じ方は人それぞれですが、「どうしても苦いのはムリ」という方向けに焙煎時間を調整して、苦みを取りながら香ばしさがある杜仲茶も販売されています。

いろんな種類を試してみて、飲み続けられるものを探してみてもいいでしょうね。

杜仲茶の作り方

まず、1リットルの水に対して杜仲茶のティーパックを1個(3グラム)入れます。
水とティーパックを鍋に入れて沸騰させます。その後、弱火にして10~15分ほど煮出します。

煮出してホットのまま飲めば、胃腸からじんわりと体を温めることができます。粗熱を取って冷蔵庫に入れてアイスティーにして飲むのもオススメです。味や濃さの好みに応じて、茶葉を減らす(増やす)、煮出し時間を長くするなど工夫してみてもいいでしょう。

品質

杜仲茶は市販されている種類も多いので、何を基準に選べばいいのかわかりにくいですね。杜仲茶(健康茶)の品質の良さを見極めるにはいくつかポイントがあります。

まず原材料の産地が明確に表記されているものを選ぶと安心です。原料となる茶葉が栽培された土地の環境によって、品質や特徴は変わります。国内で栽培された茶葉かどうかなど、その商品の産地がはっきりと分かれば信頼性が上がり、安心して飲めるでしょう。

次に、 無農薬・有機栽培のものかどうかも基準となります。健康茶の原料によっては、製造工程で十分に洗浄されていないケースもあります。杜仲の葉そのものはゴム性質のある成分を含んでいるので、害虫が寄り付きにくいという特徴がありますが、残留農薬の心配もありますので、無農薬・有機栽培と表記している商品を選びましょう。

また、 商品のタイプをチェックする こともポイントです。健康茶には茶葉をティーバックに詰めたものや、そのまま飲めるペットボトルなどがあります。ただし、ペットボトルタイプの場合は、酸化防止剤や添加物が含まれていることがありますので注意しましょう。

ブレンド杜仲茶もオススメ

杜仲茶は、ほかの茶葉をブレンドしても美味しく飲めます。杜仲茶は独特の苦みを感じることがありますので、日本人に馴染みのあるお茶とブレンドされている商品も多数あります

同じような効果が期待できるウーロン茶やプーアール茶をブレンドした商品などもあります。健康と美容にいいお茶ですが、飲み過ぎには気を付けましょう。

杜仲茶の副作用やデメリットについて

これまで、ダイエットや生活習慣病に効果が期待できるとお話してきましたが、杜仲茶に副作用はないのか、気になりますね。

杜仲茶の副作用やデメリットを、正しい飲み方と併せて説明します。

杜仲茶は飲み過ぎると下痢をする?

急に多量の杜仲茶を摂取すると、お腹がゆるくなってしまうという報告があるようです。もちろん個人差はありますが、あくまでもお茶として楽しむ範囲の適量を守り、長く続けて飲むことを心がけましょう

杜仲茶を飲まないほうが良いケースは?

杜仲葉はカリウムを多く含むため、カリウムの排出がうまくできず高カリウム血症になる可能性があります。腎臓病や腎機能が低下している方や持病がある方は医師に相談したうえ、飲んでも問題はないか、または適切量を確認しておくようにしましょう。

また杜仲茶には一過性の血圧降下作用が認められていますので、降圧剤を服用している方は過度の血圧低下に注意が必要です。

利尿作用に注意が必要

杜仲茶の利尿作用には、ゲニポシド酸という成分が関係しています。このゲニポシド酸は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)というホルモンの分泌を促進します。

ANPはナトリウムや水分の排出を促し利尿作用を高めるホルモンで、体内の余分な水分や老廃物が尿として排出されやすくなります。この利尿作用によって、むくみや高血圧などの症状を改善することが期待できます。その反面、普段から水分摂取が多い方や、長時間トイレにいけない時などは、飲むタイミングを選んだほうがよいでしょう

杜仲茶の美味しい飲み方

美味しく飲めて、健康維持にも役立つお茶として人気のある杜仲茶。毎日ムリなく続けるためには、美味しい飲み方を知っておくことも大事です。愛飲者の中には、自分で焙煎して杜仲茶を作っている人もいるとか。ここで、杜仲茶の美味しい飲み方をお話します。

メーカー推奨の作り方で杜仲茶を淹れる

杜仲茶の理想的な作り方は「弱火で成分をしっかりしみ出させる」こと。杜仲茶に含まれる成分を最大限に引き出すには、「弱火」がポイントとなります。

しかし、じっくりコトコト煮出したお茶の渋みがニガテな方もいらっしゃるでしょう。毎日飲み続けるには、美味しく手軽に取り入れられるほうがいいですよね。市販のお茶を購入した場合、どれくらい煮出すのがベストか、自分が飲み続けられるかがわかりづらいのですが、まずは一度、商品に裏書されている作り方で杜仲茶を作ってみましょう。

自分の好みを把握して杜仲茶を淹れる

「冷やしたほうが飲みやすい」「温かいほうが苦みを感じにくい」など、続けるためにどの方法が良いのか、自分にあった飲み方がわかってきます。

もしも「杜仲茶の濃度が濃すぎる」「苦みが強い」と感じた場合は、煮出す水の量を多くしたり、商品の袋を開けて一度空気を入れた後に、しばらく時間をおいて使用したりするとマイルドな口当たりになります。湿気の多い場所を避けて保存するようにしましょう。

杜仲茶を飲む最適なタイミング

杜仲茶の飲むタイミングとして、特に決まったものはありません。水分を補給するタイミングや食事のおともとして杜仲茶を飲む、リラックスタイムに飲むといった形で、日々の生活の中で気軽に摂取するのがいいでしょう。

以下のタイミングもオススメです。

朝昼晩と毎食ごとに飲む:食事で摂取した糖質や脂質の吸収を抑えることができます。
外出時や運動中、歩きながら飲む:水分補給と同時に代謝を高めることができます。
酒のチェイサーとして飲む:お酒の成分分解を助けることができます。杜仲茶割りもおすすめです。

杜仲茶はこんな人にもオススメ!

これまで、杜仲茶の魅力やデメリットも説明してきましたが、ここで「特にこんな人に飲んでほしい」という代表例3パターンを選んでみました。即効性には乏しいですが、杜仲茶を飲み続けることで、悩みや不調の改善を実感できるかもしれません。ぜひ試していただきたいのは、以下のような方々です。

杜仲茶がオススメのケース(1)
妊娠中・授乳中の方

杜仲茶はカフェインを含んでいないので、妊娠中や授乳中の方が安心して飲めるおすすめのお茶として知られています。

特に妊娠中は、浮腫や体重増加、またお腹が大きくなってくるとトイレが近くなるのが気になりますよね。杜仲茶は、体内の水分バランスを調整したり、神経や筋肉の働きを助けたりする成分を含んでいるので、むくみや便秘を改善したりする効果が期待できます。

また、授乳中は母乳を出すために体内水分量が少なくなりがちです。のどが乾いたと感じることも多くなります。「ちょっと水分を摂りたいな」と思ったタイミングで、手軽に栄養素を補給できる杜仲茶を常備しておくといいでしょう。ただ、体の状態が敏感になっている時期なので、飲む量は体調に合わせて調節してください。

杜仲茶がオススメのケース(2)
運動不足の方

杜仲茶には基礎代謝を上げ、内臓脂肪を減らす効果が期待されます。そのため、運動不足が気になる方や、デスクワークが多めの方の日々をサポートしてくれます。

杜仲茶がオススメのケース(3)
リラックスしたいとき

緊張をほぐしたいとき、集中を解きたい時などには、どうしても甘いものや嗜好品を摂りたくなりますね。ただ、気を紛らしたいあまりに摂取するものは、摂り過ぎも気になりますし、摂った後で後悔してしまうことがありませんか。

「リラックスする時は杜仲茶」と決めて、オフの時間帯に杜仲茶を淹れてみましょう。この時に、冷たい杜仲茶を一気に飲み干すのではなく、温かいお茶にして一口ずつゆっくり飲むのがオススメです。

胃の内側からじんわり温めて「一息ついた」感を得られることで緊張を解き、リラックスモードに切り替えられます。

杜仲茶Q&A

杜仲茶は子どもも飲めますか?

杜仲茶はノンカフェインですので、お子さまが飲んでも問題ありません。杜仲茶は子どもから高齢者まで年齢を問わず、ご家族のみなさんで美味しく召し上がれます。ただ、持病がある方は、飲用する前に医師に相談しましょう。また、体質的に合わないと感じた場合は、飲むのを控えるようにしましょう。

杜仲茶は1日何杯飲めば良いですか?

杜仲茶はあくまでもお茶なので、薬のように「1日に何杯飲まなければならない」といった決まりはありません。摂取量の目安としては1日に2~3杯程度がオススメです。毎食のお供に、また汗をかいた時の水分補給など、飲みたいときにいつでも召し上がれます。ただ、人間に必要な飲料水分量は1.2L、食事中水分量1.0L(体重や体形によって異なる)とされていますので、体調を見ながら飲む量を調節しましょう。杜仲茶は健康茶として知られていますが、これを飲むだけで、体質や数値が良くなるわけではありません。効能に過度な期待をして飲み過ぎないようにしましょう。あくまでも、お茶として適度な摂取を心がけてください。

お食事のおともに、ぜひ杜仲茶を。

汗をかきやすい夏や、かじかむような寒い冬など、飲み物で体の調子をコントロールするという方も多いでしょう。

ホットでもアイスでも美味しく飲める杜仲茶は、季節を問わず、お好みに合わせて淹れることができるのでオススメです。毎日の食事シーンには杜仲茶を添えて。健康維持に杜仲茶をお役立てください。

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